大藤莞爾君
大藤莞爾君の紹介 武久源造
大藤莞爾君は、今年10歳。フレッシュで繊細な感性の持ち主です。
そういえば、バッハがその子供たちのために『インヴェンション』を書いたのも、子
どもたちが10歳前後の頃でした。
チェンバロは古楽器です。しかし、同時にそれは、未来の楽器でもあると、私は思っ
ています。
そのことを、莞爾君の演奏から感じ取っていただければ、こんなに嬉しいことはあり
ません。
以下、彼の文章です。
僕がチェンバロを弾いているいちばんのきっかけは、以前、ピアノの先生からすすめ
られた教本のひとつに、16世紀や17世紀の曲を集めたものがあったことです。そこに
はカベソンやスウェーリンクといった、聞いたこともないような作曲家の作品がたく
さん入っていました。その曲をピアノで弾くと、どうも雰囲気が合わないような気が
して、そんなときに古楽器に触れる機会がありました。古楽器で弾くととてもよく合
うと思いました。
そのあと家でクラヴィコードを借りて、クラヴィコードで練習するのが楽しくなりま
した。古楽器は仕組みがシンプルだからか、バロックやそれ以前の曲を古楽器で弾く
と、まるで音楽を素手でさわっているような気がするのです。その音楽の手ざわりを、
こわさずにさわれるような気がします。
大藤莞爾(だいとう かんじ)
大藤莞爾君は、2016/3/31(木)19時開演 四ツ谷 紀尾井小ホール 『武久源造のバッハと舞』公演にゲスト出演されます。
愛と光と感謝をこめて