本質とつなぐ
韓国のナムゲストハウスに泊まっている。家族と離れてここでひとりになりながら、各国の人々と交流している。
気持ちを楽にしてリラックスできるのは、ホストの性格や隔たりのない親密感があるからかもしれない。二回目の滞在だが、もうずっと私が来るのを楽しみにしてくれていた。私が夜半に到着するやいなや、マスクパーティーでウエルカムされた。
アサイという高価な果物のエキスが浸透されている顔パックだ。
私は、長旅で疲れていたのだが、この顔パックで一気に緩んでぐっすり眠り込んだ。
以前、こんなことがあった。
こことは違うゲストハウスに泊まった。今では有名になり予約が取れない。
韓国の古い様式の韓屋をゲストハウスにしているところに、ソウルに来ると常宿していた。
そこで知り合ったドイツ人Bと仲良くなって、またソウルに来るときは連絡し合うと約束した。
約束通り、彼女は再韓した。私は用もなかったけど、彼女に会いにソウルに出かけた。
ソウルに親友Yがいる。Yは日本にも留学した経験があり日本語を堪能している。私がオイリュトミーのワークショップを韓国でやる時に急遽、通訳を頼んだ。阿吽の呼吸でできた。
彼女Yがシュタイナーを学ぶことを決めたのは、この私のオイリュトミーワークショップでだったと後から話した。私が話す内容に刺激されたという。
そして、ドイツにシュタイナーの治療教育を学びに留学したいと本気で思い始めた。
何のツテもないかの地でどうやって子ども連れで暮らしながら学校に行けるか、不可能と思って、私に相談してきた。
私は何も考えずに、ゲストハウスで知り合ったドイツ人Bの友達を紹介した。
当時の私は、お酒を飲んでいた(今は飲まない)ので、大好きなマッカリを飲みに二人を誘った。
弘大にある、チジミ専門店で三人でテーブル大のチジミを突っつきながら親交を共にした。
私が年上でドイツ人のBはその次、Yは末の妹ということで三姉妹の契を交わした。
その後、末の“妹”のために、Bはあちこち奔走し、Yをドイツに迎え入れた。
Visaのこと、学校、アパート、家具やら何やら。
これができるのは並大抵のことではない。Bの魂とYの魂が出会ったのである。
そしてYは、シュタイナーの治療学校で様々な芸術を体験することになる。
この体験が、眠っていたYの才能を奮い立たせた。
木彫、石彫、絵画などなど。治療教育の教師になる為のカリキュラムが、Yを本気にさせた。子どものように、時間も食べることも忘れて、創作に打ち込んでいるという。わくわくを取り戻したのである。
わくわくを手に入れると、人生は本当に楽しい。
子どもが夢中になって遊んでいる姿を見ると、一心に集中している。
わくわく楽しく一心に集中することこそ、人生の花ではないだろうか?
続く