再び雲の上
再び雲の上
今日は快晴。
オークランド空港までホテルから早朝4時のシャトルバスを選んだ。
乗り合わせた初老のカップルは、カナダから初めてニュージーランド旅行に来たそうだ。私が今年ヴァンクーバに行くと伝えたら、親しみをこめてヴァンクーバは美しいと話してくれた。
もうカナダがすぐ目前に見えるような心持ちになった。
AirNZのチェックインは全て機会操作で楽々スムーズにいく。
何やら空港で起きているらしく、警報が鳴り続けていたが、誰もが落ち着いていた。そのまま税関を通りいつものゴールドラウンジに向かう。
ゴールドラウンジが緊急に閉鎖されて入り口で待たされている。
消防士や警官が行き交うが慌てる様子もなく誰もがリラックスしている。
私は其の間すぐ横のカフェのある書店で、素敵な本を見つけた。
ニュージーランドの樹木の本である。
一枚一枚の葉っぱや実、花を眺めるだけでわくわくする。
いつもなら購入するが、何もかも手放して身軽になったので、重たい本はそのままにした。
やがて、ラウンジがオープンしたので、軽食を済ませゲートに向かう。
いつもなら、好奇心で免税店を隈なく見回すが、そのまま直行する。
物への執着が無くなったのか、とても軽い。
“今”を観る習慣で、過去の出来事が幾重にも“今”の瞬間に重なる。
現実が幻想であるという感覚。
そうしながら、この瞬間に何を創造しているだろうか?
飛行機は窓際で一番前の席で十分に足が伸ばせる。
搭乗と共に眠り、目覚めたら雲の上だ。
人生と思っていた今迄のことが、なんだか眠りだったような感じでいる。
私が最も安心安全を感じるのはこの雲の上かもしれない。
大きな巨体が何百人もの人々、世界中の人々を国境を超えて乗せ、静かに上空一万キロをゆったりと飛行することができるのはいつも驚きだ。
美しく輝く光の世界を目の当たりにしていると、この果てしない美しさとひとつになる。
創造主の祝福とともにある心持ちでいる。
私は空の上でいっぱいエネルギーを充電している感じがする。
そしてやがて陸上が見えると、この世の仕事をするんだなと思えるのである。
今美しいニュージーランドを後にして、シドニーを経由して冬のソウルに向かう。
7/2/14