「水よ、流れよ」
由布院のどこを歩いても水が流れている。
川の水はもとより、湧き出る温泉水も流れている。
その流れに任せてゆらゆらたゆたう水草や藻を観ていると、
植物特有の光合成から水中に酸素が送られるのを感じる。
観ているだけで気持ちがいい。
水に動きがあるだけで、水は浄化される。
水そのものがいのちであり、いのちは動きである。
それを“水のダンス”、“水の戯れ”と表現する人もいる。
私は、水を浄化できるサイキック能力を獲得したいと思っていた。
でもこうして水をみていると、
水、本来の力は途方もないのだと思えて、
自分の浅はかな思いが何処かに消えた。
かつて、神秘学者であるルドルフ シュタイナーは、
水への祈りをするとしたら、
「水よ、流れよ」
であると指示したそうである。
ずいぶん昔に聞いた言葉が、今になって腑に落ちる。